情熱大陸 リト[ 葉っぱ切り絵作家 ]

毎日放送 情熱大陸

リト[ 葉っぱ切り絵作家 ]

不思議と癒される… 一枚の葉っぱに込められた物語

プロデューサー:中村卓也・松井秀裕

その葉っぱには、親子の愛、友達の愛、様々な愛が宿っている。
“葉っぱ切り絵”という新たなアートを創造したリト。”癒される”と注目を集め、現在SNSのフォロワーは40万人を超える。人気の中心は30代、40代の女性。その優しい世界観がファンを増やしている。作品展では涙する人もいた。
リトの作品には主に擬人化したカエルやウサギなどの動物が登場する。食事をしたり、遊んでいたり…日常の何気ない場面を1枚の葉っぱから影絵のように切りだし、近所の公園で額縁代わりの空をバックに写真を撮れば作品は完成。SNSに投稿すると瞬く間に”いいね”がつけられていく。
ほぼ毎日、1作品を発表しているリト。癒しの作品とは裏腹に意外にも毎日、苦闘していた。構想で悩み、下絵を何度も書き直す。しかしいざ、葉っぱを切り抜く段階になると一心不乱。デザインナイフ1本で1ミリに満たない穴や線を辛抱強く、確実に切り取っていく…。

リトはここ1年でSNSの世界を飛び出し、作品展やイベントなどリアルの世界へも活動の場を広げてきた。高いもので30万円超の作品が、すぐに売り切れてゆく。メディアの取材も殺到し、芸能人ばりにポートレートを撮られる事も。
激変した生活に「慣れない」と語るリトだが、実は数年前まではサラリーマンだった。
曰く、失敗ばかりのダメ社員。もしやと思い、病院で診てもらうとADHD(発達障害)と診断された。ショックだったが、ホッとする気持ちもあった。退職して自分自身と向き合った。そこで気づいたのが子供の頃からあった”集中力”。集中すると他の事は目に入らなくなる短所をアートに活かそうと試行錯誤した。家に引き籠る彼を非難せず、支えたのが母。自分の道を見つけて欲しいと、静かに見守り続けたそうだ。

日本では誰も試みなかった「葉っぱ切り絵」。
コロナ禍の閉塞感にあるいま、人々に癒しと勇気を人々に与えているリトの姿を追いかけた。

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