ガイアの夜明け 看護師が足りない!

テレビ東京 ガイアの夜明け

看護師が足りない!

今、医療の現場で看護師が不足している。その影響で病棟の閉鎖や病院の閉院が相次いでいる。かつて「白衣の天使」とも呼ばれ、憧れの職業だった看護師。しかし今、長時間労働とそれに見合わない低賃金などの理由から、苦しい立場に立たされている。2020年の最新の統計によると看護職は全国で約173万人(厚生労働省調べ)。2025年には最大27万人もの看護師が足りなくなるとの推計もある。医療現場の崩壊は私たちの日常生活や健康にも大きく波及する問題だ。そうした状況の中、この春、全国の看護師たちが一斉ストライキに打って出た。果たしてその声は届くのか?実際に看護師が大量退職した病院の現場にガイアは密着。日本の医療の行く末は…。

看護師が大量退職…ママさんナースと病院の苦悩

大阪市にある西淀病院。病床数218の地域密着型の中規模病院だ。内科を中心に2次救急を担い、年間2800件もの救急患者を受け入れている。看護師は約160人。仕事の過酷さなどから、この1年で30人近くが大量退職するという事態に。残された看護師はさらに人手不足が加速する現場で働いている。通常、夜勤は8回以内と定めているところ、9回以上になる看護師も多くなった。2歳の子供を持つママさんナースが、保育園の迎え時間を日々気にしながらも、看護に奮闘する姿を追う。一方、病院側はなぜ看護師に無理を強いらざるを得ないのか?経営側の幹部でもある看護部長が、実情を語ってくれた。そこには国が定めた診療報酬に左右される病院の実態があった。

私たちは白衣の天使じゃない!…声を上げる看護師たち

苦境に立たされる看護師たちが声を上げ始めた。3月、全国1000以上もの病院、介護施設などで賃上げと人員確保を求めてストライキが行われたのだ。厚生労働省の調査によると2024年の賃金改定額は産業別平均でおよそ1万2000円のアップ。しかし医療・福祉分野では約6800円と平均を大きく下回っている。ストの参加者からは「責任感だけではやっていけない。私たちは白衣の天使じゃない」との声も上がる。物価高騰もあり賃金アップは譲れないところだ。春の闘いの結果は…。

能登半島地震から1年…看護師の卵たち「運命の春」

看護の現場から苦境が伝えられるなか、それでも看護師を目指す若者たちがいる。石川県七尾市にある七尾看護専門学校。能登で唯一の看護専門学校だ。校舎が被災するという苦難の中、この1年間、学生たちが看護師国家試験の合格を目指してきた。震災で大きな被害を受けた輪島市出身の大積紅愛さん。自宅は無事だったものの、近所の住居は軒並み崩れてしまった。愛する地元がこのまま失われていくことを見過ごせないと輪島病院への就職を志す。また同じクラスの佐竹龍星さんは震災で出会った災害看護師に憧れ、東京に出る決意をしていた。やがて迎える運命の国家試験。そして、それぞれが旅立ちの春へ。

担当ディレクター:

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