テレビ東京 ガイアの夜明け
“空の安全”40年目の誓い
旺盛なインバウンド需要を取り込み、国際・国内線ともに絶好調のJAL。今年もJALにとって「忘れてはならない日」が8月12日を迎える。40年前、乗客乗員520人が犠牲となった、日航ジャンボ機の墜落事故。取材班は今回、知られざる航空機整備の最前線に密着した。最新システムの導入が進む中も、欠かせないのが現場整備士の技術と経験。華やかな航空業界の舞台裏で「空の安全を守る」決意を新たにし、奮闘する整備士たちを追った。
事故から40年、初の御巣鷹山へ
単独機として世界最悪、520人の命が奪われた日航123便墜落事故。犠牲者の中には、22人の外国人がいた。その一人が当時26歳だったアメリカ人のワード・ワーリックさん。1982年、カリフォリニア州立大学の交換留学生として来日。早稲田大学で日本語を学び、事故当時はJALの英会話講師だった。そんなワードさんとともに留学していたジェイソンが、初めてテレビカメラの取材に応じた。当時、ワードさんの遺体確認を行い、帰国後は記憶を胸の内に秘めていたジェイソンさん。初めて御巣鷹山に上り、友と40年来の約束を果たす。さらにジェイソンさんも知らなかったワードさんの思い。日本への深い愛情とは…。
航空機整備の舞台裏に密着!
多くの飛行機が離発着する羽田空港。乗客が乗り降りするその時、航空機の周りでは、「運行整備」と呼ばれる、次のフライトに向けた点検整備が行われる。限られた時間の中で次のフライトのための準備をするのだ。羽田空港にあるJAL整備士の“詰め所”は、去年4月に大幅リニューアル。以前は紙の整備記録が山積みされていたが、今では大型パネルにスケジュールや空港内の監視カメラ映像などが映しだされ、DX化が進んでいる。整備の情報共有の迅速化、データの分析など、安全面でも大きな進化を遂げているという。
航空機の“人間ドック”「重整備」の現場
7月、羽田空港の格納庫にボーイング787型機が。「重整備」と呼ばれる、数年に一度の定期メンテナンスだ。これから3週間にわたって、パーツの交換やエンジンの調整など、徹底的に整備が行われる。ここでのチェックはまさに空の安全の鍵を握る重要な作業。整備は24時間体制で作業が続く。一方、フランス・トゥールーズの空港にJALのベテラン整備士の姿が。エアバスに発注した、新たな機体を受け取りに来たのだ。JALは2025年から合計50機以上の新機材導入するエアバスA350-1000。炭素繊維複合材料や新世代エンジンの採用などで、燃費は約25%向上できるという最新鋭機だ。カメラは特別な許可を得て、エアバス工場内の実機点検に密着した。