映像制作会社入社3ヶ月目の新入社員が考えるADサバイバル術

皆さんはじめまして。
今春、メディア・メトルに入社しました岩元と申します。

「映像制作会社入社3ヶ月目の新入社員が考えるADサバイバル術」みたいなタイトルの本、ありそうでないですよね。

そんなことはさておき、岩元が入社して三ヶ月が経ちました。
たった三ヶ月、されど三ヶ月!!
この期間で学んだことは山のようにあります。
今回は、この場を借りて、その一部を皆さんに共有させていただきます。

まずは、本題に入る前に私の簡単なプロフィール紹介から。
私は、今年の3月に大学院を卒業し、これまで縁もゆかりもなかったドキュメンタリー制作の世界に飛び込みました。

学生の頃は、外国人フリージャーナリストのアシスタントとして活動していたこともあり、取材などの経験はある程度積んできましたが、映像・ドキュメンタリー制作に関しては知識ゼロ
ただただ「何か新しいことがやってみたい!」という好奇心に突き動かされ、様々な制作会社に「面接してください!」と電話をかけまくったところ、運よくメディア・メトルに入社することが出来ました。

そんなド素人の私が考える「AD処世術」なんて誰が聞きたいんだ…と思ってはいるものの、業務命令なので逆らえません(ジョークです)。
一方、素人の私だからこそ、伝えられることがあるのではないかとも考えています。
特に、「大学では全然別の研究をしていたけれど、映像業界にチャレンジしてみたい…」と考えていらっしゃる就活生の皆さんにとって、少しでも参考になれば幸いです。

では、早速本題に参ります。
「映像制作会社入社3ヶ月目の新入社員が考えるADサバイバル術」は、ズバリ以下の三点に集約されます。

  • 先輩社員と雑談しまくる
  • 無知の知を知る
  • とにかく勉強する

…何を言い出すかと思いきや、「結構ありきたりなことやん」と思いますよね。ただ、これらの「基本」が実は結構大事だったりするんです。

先輩社員と雑談しまくる

私は、「ディレクターのノウハウを盗むこと」を一年目の目標として掲げています。
そして、そのために欠かせないのが、良好な人間関係の構築です。

ディレクターは常に膨大な仕事量を抱えています。一つの案件が終了しても、直ぐにまた次の企画を考えたり、取材やロケに奔走したりと、中々休まる暇がありません。
アシスタントディレクターは、その間隙を縫って、ディレクターに教えを乞わなければなりません。忙しそうにしているディレクターに遠慮して何も質問しないままでは、逆に、「この子はちょっと話しかけ辛いな」や「この子は教えにくいな」などと思われ兼ねません。そして、そのようなイメージを一度持たれてしまうと中々払拭することは出来ません。

本色々。

だからこそ、「この子だったら時間を割いて教えてもいいかな」とディレクターに思わせることが大切です。そのためには、ディレクターの手が空いたタイミングで他愛のない話を持ちかけ、良好な人間関係を「自ら」作っていくことが重要になります。
私の場合、例えば、推理小説が好きなディレクターに「オススメの本を教えてください」と話しかけ、休日に読み、後日「まさか犯人は奥さんだったとは…」なんて雑談をしに行きました。

また、映画をよく観るディレクターと雑談するために、「インセプション」を鑑賞し、「まさか渡辺謙が早々に倒れるとは…」なんて話しかけに行きました。(テネットは難しくて途中で諦めてしまいましたが)
そうやって積極的に話しかけるうちに、「そういえばあのリサーチ岩元にお願いしようかな」なんてことになったり、時間があれば、ディレクターの仕事論・演出論なんかを聞けちゃったりするので結構オススメです。

無知の知を知る

前述の通り、私は学生時代に報道記者のアシスタントをしていたこともあり、過去に取材の経験がありました。
ですが、その時の経験が今の仕事で生きているかというと…ぶっちゃけ、あんまりです。
というのも、ドキュメンタリー映像のディレクターと報道記者に求められる目線は、全く異なるからです。
「ありのままの事実を語る」ことが記者に求められる目線だとすれば、「事実に基づいた物語を語る」のがディレクターの目線です。
つまり、ディレクターは、「この事実を分かりやすく、興味深く描くためには、どのようなストーリー展開にしたらいいのだろうか」という目線から取材を行います。そして、その目線を身に着けるためには、沢山のドキュメンタリーを鑑賞し、分析する必要があります。

仕事のお供たち。美味しいと可愛いは正義。

私は、とりあえず過去の取材経験については一旦忘れることにしました。
そして、「ディレクターとしての取材方法」を身に着けるために、まずは出来るだけ多くのドキュメンタリーを観て、「どのようなストーリー展開になっているか」を研究するところから始めています。

取材に関してはまだまだ失敗だらけではありますが、
「知らないこと」は恥ずかしくはない。「知らないまま」でいることの方が恥ずかしい!と自分に言い聞かせ、日々実践を積んでいます。
なので、まずは己の「無知」を自覚する。その上で、知ろうとする努力を重ねると、ディレクターにとって必要なスキルが身に付けられると思います。

とにかく勉強する

しかし、己の無知を自覚することは結構辛いです。
私の場合、この3ヶ月間ですでに100回くらい(盛ってます)「私はこんなにも何も知らなかったのか…」状態に陥っています。
ですが、分からないことを分からないままにしておくと、後々困るのは自分です。
「ディレクターになったら、分かりませんじゃ済まされないよ」という先輩の言葉にめっちゃビビってます。

先日、社長から、「企業についてリサーチする時は必ず有価証券報告書に目を通してね」と言われました。
でも、私は「有価証券報告書とは何ぞ」状態だったので、小さい声で「ハイ、頑張ります…」とだけ返事しました。

勿論、そのまま社長に「有価証券報告書って何ですか?どうやって見つけるんですか?どの項目を見れば何が分かるんですか?」と質問しまくるのも一つの手だったとは思います。
ですが、寝る間も惜しんで仕事している社長にそんな質問はできません(毎日お疲れ様です)。また、他のディレクターも同様に多忙です。
質問するとしても、ある程度自分で勉強した上で分からないところをピックアップして質問する方が、教える側の負担も少なくて済みます。それに、自分で勉強した方が知識としても身に付きやすいと思います。
なので、分からないことは一旦持ち帰る。休日などを使ってじっくり勉強してみる。それでも分からないところがあれば先輩に聞く。というのが、いいんじゃないかと思います。

家に帰るとサボっちゃうので会社で勉強する図。

私はとりあえずAmazonで「世界一わかりやすい有価証券報告書読み方入門」と検索し、評価が一番高かった本をポチッと購入しました。
最近は、業務時間後に「勉強時間」を設け、有価証券報告書の読み方に関わらず色んなことについて勉強するようにしています。一年目の努力がこの先の糧となると信じ、今後しばらくは、継続して行こうかなと思います。

以上、「映像制作会社入社3ヶ月目の新入社員が考えるADサバイバル術」でした。
どうでしょうか。皆さんの心に響いたでしょうか(?)

私は、3年目の自分がこの記事を見た時に、「こんな時代もあったな…」とか言えるようになるためにこれからも頑張ります。
就活生の皆さんも、ドキュメンタリーが好きだと思うなら、作ってみたいと思うなら、「覚悟」を持ってこの業界へ飛び込んでみてください。

Scroll to top